少し悩みを聞いてあげるだけで解決するというのに、社員の心のケアにまで手が回らないという会社はかなり多いのだ。
そんなとき、会社が家族のような存在であれば、相談もしやすいだろう。
相談できなくても、人間関係が濃密なら、周囲が気遣うことも容易だ。
社内に家族を作ってしまった会社がある。
スカウトーヘッドハンティング事業や新卒採用のコンサルティングを手がけるRイス株式会社だ。
Rイスは1997年に設立された会社で、今年で12年目になる。
設立当初は20名程度の小さな会社だったが、今では約200名の社員を抱える会社へと成長した。
急成長の陰で、高い離職率に悩まされていたという。
「穴の空いたバケツのような状態でした。
人を採用しても、下からどんどん辞めていく。
採用活動には相当な費用がかかりますし、大きな問題でした。
もし、大きな会社なら社員のケアをするような環境が作れるのかもしれませんが、うちみたいなベンチャー企業には、そこまでの余裕はありませんでした」(広報担当.A氏)業績は上がっていたが、一向に減らない離職者の数。
更なる成長のために、職場環境の整備は避けて通れない課題だったのである。
そこで、2002年に作ったのが、里親制度という仕組みだった。
社員が辞めていく理由のひとつに組織内上下のコミュニケーション不足があると考えたのだ。
新入社員を教育する先輩や上司は日頃の業務に忙しく、環境の変化で思い悩む新人たちの心にまで目が向かなかった。
そのため不安が募り、会社を去っていったのではないかと考えたのである。
新入社員の心のケアを行うために考案された。
里親制度.とは?仕事の悩みや疑問はもちろん、そこで交わされる会話は多岐にわたる。
コミュニケーションの過程で不安や疑問が解消されていくのだ。
食事会などにかかる費用は全額、会社が補助してくれる。
場合によっては通常業務よりも、この里家族会が優先されることもあるという。
親はこうした活動を通して、新入社員の仕事に対する意欲や、仕事への満足度、それから上司との関係などについて、レポートを会社に提出する。
その結果、大きな悩みを抱えていると判断すれば、個別にチームリーダーとの面談が組まれることになる。
その結果、30%近かった離職率が、見る見るうちに低下し、約2%にまで下がったというのだ。
自分の時間を大切にするため、飲み会や会社の行事に消極的な若者が増えているという話をよく聞く。
Rイスは社員のプライベートにまであえて踏み込むことで、彼らの不満や不安に耳を傾けようとしたわけだ。
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